一般社団法人超常現象情報研究センター

吉田要「彼等は果してペテン師か」(宇宙機第5号P6-7)

  表記、仮名遣い等は可能な限り原文を踏襲しております。言葉遣いの間違いと思われるところも、あえて残してあります。

 世の中には、種々小説よりも奇といったような珍談奇話があるらしいがアダムスキやアリンガムの遊星人会見談くらい突飛奇抜で、私達の度肝をぬくものはあるまい。

 この書物を愛読したり鮮明な実写々真をしげしげと眺めると、「こりゃ大変な事になった!」と今更の如く青空や星が限りない神秘をもって我々の身に迫って来る。そして明確な自然現象である火球や、高々度を見事な飛行雲を曳いて飛ぶジェット機を見ても、こりゃ円盤じゃなかろうか?と思えて来るのだから奇妙である。

 又、一方冷静な気持ちに返って考えると、アダムスキヤアリンガムは、大嘘つきの買名屋のペテン師じゃなかろうか?と――(私は探偵小説など愛読するせいか、人一倍疑り深い性質の持主なのだ)。しかしこの両者の実写々真の完全な一致や確信に満ちた記述が物をいいそうである。
 その他にも宇宙人目撃談としては、黒沼健氏が紹介した、米国円盤調査会長スニトウスキイ氏が見た、「九尺ずん胴の巨怪」があるし、おまけにこの妖怪的宇宙人は足がなくて異様な悪臭を伴っていたというんだから気味が悪い。

 外電ニュースにも、いくつか宇宙人目撃話が報じられているようだ。

 北フランスの小村に住むドウイルドという男が夜遅く犬がひどく吠えるので外に出てみると、畠の中に直径五、六米の小さな円盤が着陸しており潜水服みたいなものを着た身長一米ほどの生物がそばにいたが、ドウイルドを見ると慌てて円盤の中に駆け込み、窓から目の醒めるようなミドリ色の光線を発射して円盤は音もなく垂直に飛上って行ったという。
 これらの宇宙人は、肉体の外見が、アダムスキやアリンガムの会見した金星、火星人とは物凄く異っているのが不思議だが、もしこれが事実なら火星や金星などよりもっと遠い星から来たお客さんかも知れない。何しろアダムスキの説によれば土星の円盤まで地球に飛来しているというのだから。

 又、ノルウェーのストロンヘーム市から三百粁離れたある田舎の丘で、村の娘が二人花をつんでいると円盤が降りて来て中からボタンなしの航空服を着た、非常に美男のパイロットが出て来て娘に手マネで話かけ、どうです、私達の星へ行きませんか――と誘ったという甚だロマンチックな実見談もあるようだ。

 このように、事の真偽はともあれ全世界中には種々宇宙人目撃談があるようだが、さてである。困った事には天文学者達は、火星や金星や土星には、一向に知性の存在する証拠を認めていない事である。火星は赤錆びた酸化鉄の荒涼たる砂漠だというし、金星は厚い炭酸ガスの雲に包まれて地表は覗けないが、重い炭酸ガスの下に軽い酸素がある筈がなく、従って人間のような高等生物は生存出来ないと仰有る。誠にごもっともな論である

 しかし、私が思うのに酸素がなくては生存出来ないのは地球の動物だけだというのはどんなもんでしょう。火星や金星に
発生した生物は、地球生物とは丸っきり異った元素の組合せで出来ているのにちがいない。されば酸素の有無によって他の星の知性を否定する根拠なんかこれっぽっちもありやしないというのは、どんだ素人の暴論だろうか?

 英国の前宇宙協会長であった、A・C・クラーク氏は、アダムスキの「実見記」を、「ナンセンスの寄せ集め」と痛烈に非難したそうだが、その氏は地球は標準型の遊星では決してない、むしろ標準型の星とは木星のような、メタンガスに包まれ、氷結した世界こそそれであると著書「宇宙の探検」の中で述べている地球から望見しては、とても生物の住めないように思える遊星達にも、それ相応の体の組織を持つ生物が生存し進化しているのに違いない。

 A・ミッチェルは、それらの世界と、私達の世界とは、エベレストの山頂と太平洋の深海ほどに異っているだろうと云っているが、地球と火星とを比較してみても、気圧重力、温度その他何一つとして一致する所はない。余りにも違いすぎるほどである。

 ところで、アダムスキやアリンガムが遭遇した遊星人だが、これは又何とした事、彼等は私達と肉体的には全く同じであって、服装さえ変えればそのまま地球人に化けられそうである。これは正にオドロキではないか!

 私達がこれ迄想像していた遊星人は、ウェルズ式の、我々とも似ても似つかぬ「怪物」ではなかったか。

 地球とは丸っきり異なる土星や火星、金星上に発生した生物が、どうして又地球人と全く同じに進化したものだろう?

 フランスに着陸した畸形的な円盤人の方が、まだしも本当らしく思える。

 それではやっぱりアダムスキヤアリンガムはペテン師だろうか? あの立派な実写々真の数々は捏造物なのだろうか?

 私はそう思いたくない会見談は事実であって欲しいものである。円盤の実在は、地球人の目を大きく開かせ、宇宙の神秘を痛感させ、戦争の愚を認識させるに違いない。あくなき核爆発実験によって、大気圏が日に日に汚染されて行く今日、他の世界から、より秀れた知性が凝っと地球を監視していると云う事は、我々にとって大いなる救いではあるまいか。
 とまれ、円盤が例えメンゼル博士のいうように自然現象だとしても(この説は、私達をはなはだしくガッカリさせるものであるが)A・C・クラークのいうように、将来他の世界から宇宙船が、我地球を訪問して来る可能性はたっぷりとあるにちがいない。 

(宇宙旅行協会々員)



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