(最終改訂2015年5月11日)

1 エア
2 エアーズロック
3 エイブラムズ
5
6 エキドナ
7 エクトプラズム
8 エジプトのグライダー
9 エゼキエル宇宙船
10 AZ
11 エチオピア語エノク書
12 エッセネ派
13 エディ
14 エーテル
15 エドワーズ
16 エノク語
17 エホバの証人
18 MIB
19 エメラルドタブレット
20 エリア51
21 エリクシル
22 エリコ
23 エリザベート
24 エリシャ
25 エリヤ
26 エリュ・コーエン
27 エル
28 エルサレム症候群
29 エレメント
30 エロヒーム
31 遠隔透視
32 エンキ
33 円球石
34 エンジェルズ・ヘア
35 役小角
36 エンフィールドのポルターガイスト
37 閻魔王
38 エンメリヒ
39 エンリル


ア(Ea)
 シュメール神話における4主神の1人。バビロニアの水神でもあり、アッカド語ではエンキ。シュメール語で「水の住まい」を意味し、もとはシュメール人の神であったがバビロニアに伝えられ、天神アヌ及び大地神エンリルとともにあつく崇拝された。信仰の中心地はエリドゥでその神殿はエ=アブスと呼ばれた。後に技術・知識の神として崇拝された。古代メソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』においては、地上の人間の不行跡に腹をたてた4人の神が洪水で人類を滅ぼそうとしたとき、ウト・ナピシュテムに洪水の到来を事前に警告して助けた。

参考:ジャポニカ1972

アーズ・ロック(Ayers Rock)
 オーストラリア中央部にある高さ348メートル、周囲約9キロの世界最大の一枚岩でアボリジニの聖地。オーストラリア先住民アボリジニの言葉でウルル(Uluru)と呼ぶ。楕円形をしており、ウルル国立公園内部にある。6億年前に海底で形成された岩盤がその後隆起したもので、陽の当たり具合で色を変える。名前は1873年に探検家のウィリアム・ゴスが発見した当時の南オーストラリア州知事にちなんだもの。エアーズ・ロックから石片を持ち帰ることは禁止されているが、それに反して石片を持ち帰ったところ、本人や家族に不幸が相次いだため手紙で返送してくるという事例がかなりあるという。

参考:大津彬裕『オーストラリア辺境物語』(大修館書店)

イブラムズ(アルバート、Dr.Albert Abrams)
 1863〜1924。ラジオニクスの創始者。1893年、ハイデルベルク大学医学部卒業後アメリカへ移住、スタンフォード大学病理学教授となるが、5年後、脊椎をハンマーで打つ脊椎療法を開発して大学を離れ、200ドルの報酬でこの診断法を教授した。その後すべての物体からは固有の放射線が出されているというラジオニクスの概念に基づき、この放射線を感知して患者の血から病気を診断するダイナマイザー等の器機を開発した。後には患者と健常者とをワイヤーでつなぎ、健常者の腹部の打撃音や、ワイヤーに取り付けた可変抵抗器の抵抗値で病気の診断が可能と主張した。

参考:James Randi『The Supernatural A-Z』Headline

(えき、Iching)
 古代中国を起源とする占いで、伝説では4500年前の伏羲(ふっき)により体系化され、周の武王が六四卦とその解釈を定めたものとされる。そのため周易とも称される。陰を象徴する中心のない線--と、陽を示す断続のない−とを3本重ねて求められる乾(けん)離(り)巽(そん)震(しん)坎(かん)艮(こん)兌(だ)坤(こん)の八卦を2つ重ねた六四卦の象及び変爻により問題の現状、将来を占う。通常は50本の筮竹を用いて六四卦を求めるが卦の立て方には他にもいくつかの方法がある。陰陽五行説とともに、ほとんどの中国占術に取り入れられている。スイスの心理学者カール・フスタフ・ユングも易には関心を持っていた。

参考:『易経』集英社

キドナ(Echidna )
 ギリシャ神話の怪物で「蛇」の意味。クリュサオルとカリロエの娘、あるいはタルタロスとガイアの娘ともケトとポルキュスの娘ともいう。上半身は美女で下半身は蛇の姿で、ギリシャ神話に登場する多くの怪物の母である。テュポンとの間にオルトロス、ヒュドラ、ケルベロス、キマイラなどの怪物を産み、オルトロスと交わってスフィンクス、ネメアのライオン、クロムミュオンの牝猪を産む。ヘスペリデスの黄金のリンゴを守る竜ラドン、プロメテウスを苦しめた鷲もエキドナの子とされる。眠っている間にアルゴスに捕らえられ、殺された。

蛇足:現在英語の普通名詞echidnaはハリモグラのこと。

参考:マイケル・グラント、ジョン・ヘイゼル『ギリシアローマ神話事典』大修館書店

クトプラズム(ectoplasm)

 テレプラズム、イデオプラズム、サイコプラズムとも言う。ダウマーの「アイドロン」もほぼ同じものを指す。エクトプラズムという語はギリシャ語で「外部」を意味する「ecto」と「作られた物」を意味する「plasma」を組合せた造語で、シャルル・リシェの命名とされる。幽物質、霊物質などと訳されることもある。霊媒の開口部から出る物体で、通常は光を嫌い、暗い場所でのみ現れ、白く輝いて見える。本来透明で、もっともよく見られるのは柔軟なペースト状であるが、蒸気のような発光体となったり、粘液状、細い糸状、紐状、布状など様々な形態をとり、触ると冷たく感じ、エクトプラズムが出現すると温度が下がるという温度低下現象も見られる。リシェによれば白血球、上皮細胞を含み、唾液に似ており、シュレンク・ノッチングはエクトプラズムから食塩と燐酸カルシウムの成分を検出したという。物質化現象の際の仮の肉体を形成する媒体として用いられることが多いが、空中浮揚やアポートなど全ての物理的心霊現象を起こす媒体とも言われる。物質化した霊に許可のないまま参会者が手を触れたり、出現中に明かりをつけたりすると霊の身体となっているエクトプラズムは急速に霊媒の体内に戻り、霊媒自身を傷つけるという。エクトプラズムを写したと称する写真は数多く残されているが、そのほとんどはいんちき。

参考:春川栖仙『心霊研究事典』東京堂出版


ジプトのグライダー(Ancient Glider in Egypt)
 エジプトのサッカラから出土した木製のグライダー様の模型で、いわゆるオーパーツの1つとして紹介される。「サッカラ・バード」とも呼ばれる。紀元前200年頃作られたものとされる。1898年の発見当時は航空機が誕生していなかったため保管されていたが、1969年、考古学者のカリル・メッシア博士が再発見し、1971年12月23日に調査委員会が設立された。全長は約18センチ、機首の長さは約3.3センチ、末端には垂直尾翼。重さは約31グラム。各地から14機発見されており、実際にグライダーのように滑空させることができるとも言われたが、ニュージーランドのグライダー製作者マーティン・グレゴリーが模型を作って実験したところまったく飛ばなかったという。

参考:ASIOS『謎解き古代文明』彩図社

ゼキエル宇宙船(Ezekiel's Wheel)

 『旧約聖書』の預言者エゼキエルが紀元前593年にケバル川のほとりで見た物体のこと。この物体は輝いて絶えず火を吹き出しており、その火の中に青銅のように輝くものがあった。その中からは人の姿を持ち4つの翼を持つ4つの生き物が出てきて、それぞれの傍らに光る貴かんらん石のような、輪の中に輪があるような輪があった。4つの輪には輪縁とやがあり、輪縁は目をもって満たされていた。生き物が行く所には輪もその傍らに行き、生き物が上がる時には輪も上がる等と形容されている。円形の乗り物を思わせる記述でもあり、元NASAの技術者であるジョセフ・ブルームリッヒなどは、古代における宇宙船との遭遇の記録ではないかと主張している。他方この物体はユダヤ思想においてはケルビム(智天使)とその乗り物メルカバ(戦車の意)であり、このメルカバを観想するメルカバ神秘主義はカバラの源流の1つとされている。

蛇足:メルカバは現在イスラエル国産戦車の呼称にもなっている。この戦車はイスラエル陸軍の数々の実戦経験に裏打ちされた、これまでの戦車の常識を覆す秀逸なデザインを誇り、1982年のイスラエルのレバノン侵攻の際には当時世界最強と言われていた(実際はそうでなかったようである)ソ連製T82を撃破して一躍タミヤのミリタリー・ミニチュア・シリーズに加わった。

参考:Ronald Story『the Encyclopedia of UFOs』(Doubleday Dolphin)

AZ
 元「宇宙友好協会(CBA)」会員渡辺大起(秋吉春慶)がボード(いわゆるコックリさんやウイジャ盤のようなもの)を通じて接触した金星人であり、かつて地球でイエスとして過ごし、一部でサナンダと呼ばれるものと同一であるという。渡辺とAZとのコンタクトは昭和33(1958)年6月頃から始まり、AZは通信を通じて地球には月が2つあること、ツングースに墜落したのは近世の記録用円盤であることなどを伝えてきた。松村雄亮ら「宇宙友好協会」主流派は、この種の通信をもたらすものは「ブラザーの波動を中間的にキャッチし、それを曲げて地球人に作用する想念波動団」によるものであるとして、1961年初頭、この種の活動を控えることとなったが、渡辺及び小川貞時、徳永光男は依然としてこのメッセージに従い、AZの下地球をより良く変化させるために転生してきたワンダラー、つまり「オイカイワタチ」による人類の救済を唱えたため、1969年4月29日をもって宇宙友好協会を離れた。

参考:『空飛ぶ円盤ニュース』1961年2月号及び6月号



チオピア語エノク書(The Book of Enoch,Ethipic Enoch)
 『旧約聖書』に登場する族長エノクに帰せられる偽書の1つ。エチオピア語訳のみが残されているためこう呼ばれる。「エノク第1書」とも呼ばれる。エノクが幻の中で神を見、天上、地上、地下の世界を巡って世界の秘密を知らされる内容を記す。エノクが見た秘密の中には、樹木がなぜ茂るのか、太陽がいかにして地球を回っているか、などといった自然の秘密だけでなく、ノアの洪水や最後の審判などの予言も含まれている。しかし、「エチオピア語エノク書」でもっとも重要な記述は、人間の娘の美しさに惹かれて堕天した200人の天使の名称、事績についてのもので、この200人の天使はセムヤザを頭とし、アラキバ、ラメエル、コカビエルなどが含まれている。こうした堕天使は、後にエノクのデーモンと呼ばれるようになり、「エチオピア語エノク書」はそうしたデーモンについてのハンドブックとして、重要な魔術書の1つに数えられた。

補足:「エチオピア語エノク書」の他、「スラブ語エノク書(エノク第2書)」と「第3エノク書」と呼ばれるものがあり、これらがエノク書と総称される。また「エチオピア語エノク書」が発見される以前から、類似の内容の伝承がさまざまな形で伝えられており、こうした資料をまとめてエノク文献と呼ぶこともある。これらの資料に語られた堕天使や悪魔を総称して「デノクのデーモン」と呼ぶ。

参考:『聖書外典偽典4』教文館
   ゲルショム・ショーレム『ユダヤ神秘主義』法政大学出版局
   『The Book of Enoch』SPCK

ッセネ派(Essenism)
 紀元前2世紀から1世紀にかけて勢力のあったユダヤ教の一派。『新訳聖書』にはその記述はなく、また、エッセネ派に言及しているのは歴史家ヨセフス、大プリニウス、そしてアレクサンドリアのフィロンのみである。プリニウスによれば信者数は4,000人ほどで、砂漠に独自のコミュニティを作り、モーセの律法を守る独自の生活を行っていた。ヨセフスによれば、エッセネ派の多くはその高潔さと神的な能力で敬意を受けており、マナエモスなど預言の力を授かったものがいたという。1947年に発見された死海文書は、クムランに拠点を置き、エッセネ派に属する教団が残したものとされ、イエスや洗礼者ヨハネなどもエッセネ派と関係があったとの指摘もある。この関連でクリストファー・ナイトとロバート・ロマスは『封印のイエス』(学研)において、イラクのマンダ人もエッセネ派であり、またエッセネ派の思想が密かにテンプル騎士団に引き継がれて、後のフリーメーソンにつながるとの説を展開している。またバーバラ・スィーリングは『イエスのミステリー』において、「福音書」に語られる数々の奇跡は、クムラン教団に属していたイエスの行動を教団内部のみで通じる用語で記したものと主張。一方ヘブライ大学でユダヤ神秘思想を講じるRachel Elior教授などは死海文書の研究から、死海文書はサドカイ派がエルサレムで作成しクムランに持ち込んだものであり、エッセネ派そのものもなかったと主張している。

参考:バーバラ・スィーリング『イエスのミステリー』NHK出版
    フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ古代誌5』筑摩書房
   石田友雄『ユダヤ教史』山川出版社

ディ(メリー・ベーカー、Mary Baker Eddy)
 1821〜1910。クリスチャン・サイエンスの創設者。ニューハンプシャー州コンコード近くのボウに生まれる。病弱のため充分な教育を受けなかったが、自宅で独習し、1843年にフリーメーソンのジョージ・ワシントン・グローバーと結婚するが夫は6ヶ月後に死亡。その後降霊術やホメオパシー(同種療法)に関心を寄せ、1853年、歯科医で同種療法家の2番目の夫ダニエル・パターソンと再婚(1873年離婚)。しかし1860年にフィニアス・クインビーの治療を受けたことで、イエス・キリストが行った治療法を再発見したと信じる。1866年のクインビーの死後は、『新訳聖書』を読んで奇跡的な治療を経験したと主張し、信仰治療法の普及に努める。1877年には信者の1人で心霊主義者のアーサー・ギルバート・エディと3度目の結婚をするが、アーサーは1882年、心臓病で死亡した。エディの主張する信仰治療がアーサーを救えなかったことについては、夫は悪意の動物磁気の犠牲になったと主張した。最初の教会は1879年に設立された。また晩年は杖と眼鏡が欠かせなかったが、人前では一切使用しなかった。

参考:James Randy著『the Supernatural A-Z』(Headline)
    マーチン・A・ラーソン著『ニューソート』(日本教文社)


ーテル(Ether,Aether,Luminiferous Ether)
 宇宙空間のあらゆる場所に充満し、光の導体と仮定された物質。エーテルという名称はアリストテレスにより第五元素として天上界を構成する物質と仮定され、透明で重量・摩擦がなく、化学的・物理的に検出できないと考えられた。しかしその後の光学の発展、1881年のマイケルソン・モーリーの実験、アインシュタインの相対性理論等を通じ、現在はその存在は否定されている。他方ニュートンはエーテルが凝固して物質となるとの見解を示し、心霊研究家は現在でも霊的物質を表わす場合にこの言葉を用い、エーテル物質によって構成された高次元の世界をエーテル界、肉体と重なったエーテル体などという用語を用いる。

参考:ジャポニカ1972

ドワーズ(フランク、Frank Edwards)
 1908〜1967。アメリカのラジオ・アナウンサーの草分けの1人で、超常現象研究家でもある。自らの番組の中でUFO問題を何度も取り上げ、初期のUFO研究に大きな影響を及ぼした。イリノイ州マットーンに生まれ、1924年に、アメリカでも最初期のラジオ放送局の1つであるKDKAラジオのアナウンサーとなる。一時プロゴルファーにもなり、第2次世界大戦中は造船所の技術顧問も務めたが、1942年以来各地のラジオやテレビでキャスター、解説者などを務める。1953年には、アメリカ全土のキャスターのうちトップスリーの1人に選ばれたこともある。1947年のアーノルド事件依頼UFOに関心を持ち、自分の番組でもしばしばUFOについて取り上げ、パイロットや航空管制官など、特殊な訓練を受けた人々の目撃例を積極的に紹介した。エドワーズは基本的に地球外仮説に立っており、大手放送局のキャスターである彼がUFO問題を何度も取り上げたことは、地球外仮説が一般に普及するにあたり、相当の役割があったものと考えられる。また、政府がUFO関係の情報を隠匿しているという陰謀説の草分けでもあり、それが原因で放送局をくびになったこともある。一方、アダムスキーのコンタクト・ストーリーについては、その内容がアダムスキーの書いたSF小説に類似していることを指摘した。1956年からは全米空中現象調査委員会(NICAP)の評議委員も務め、晩年にはテレビでニュース番組も持っていた。多くの新聞や雑誌に関連記事を執筆し、著書も多数ある。1967年6月23日、心臓発作で死亡。奇しくも翌24日、第1回世界UFO大会がニューヨークで開催された。

参考:Ronald Story『the Encyclopedia of UFOs』(Doubleday Dolphin)
    フランク・エドワーズ『空飛ぶ円盤の真実』国書刊行会
    桜井慎太郎『図解UFO』新紀元社

ノク語(Enochian language)

 イギリスの魔術師ジョン・ディーエドワード・ケリーを通じて天使との交信を行なっている際にその存在が明らかにされた言語で、『エノク書』に本来用いられていた言語。ディーケリーを通じてエノク語の言語システムを入手し、天使との対話をエノク語でつづった。メイザーズはこの言語を体系化し、クロウリーは黄金の夜明けの公用語に採用した。天使の言葉であることから、諸霊を操る際に用いると力を発揮すると信じられ、エノク語で諸霊を操る魔術をエノク魔術と呼ぶ。しかしレイコックの研究によれば英語に酷似した文法を持つ疑似言語である。

参考:『魔術』学研ムーブックス
    荒俣宏編『世界神秘学辞典』(平河出版社)
    コリン・ウィルソン編『超常現象の謎に挑む』(教育社)
    アンドレ・ナタフ著『オカルティズム事典』(三交社)
    http://www.omniglot.com/writing/enochian/


ホバの証人(Jehovah's Witness)
 通称「ものみの塔」。キリスト再臨派から分かれた教団で米ペンシルバニア州アレゲーニーに生まれたチャールズ・テイズ・ラッセルが1872年に創始した。1879年に創刊した「シオンものみの塔およびキリストの臨在の告知者」の信奉者を中心に組織された「シオンものみの塔冊子協会」が法人となったもの。聖書の字義通りの解釈に徹し、信者は怪我や病気の際にも輸血を認めないことから社会問題になったこともある。一方この教団は大ピラミッドによる予言を採用し、ラッセル自身も大ピラミッドの予言から1874年、次いで1914年に世界の終わりが来ると予言したが外れた。ラッセルの死後は大ピラミッドには言及しないものの、1975年、1985年などが世界の終わりであると予言して外している

参考:James Randi『The Supernatural A-Z』Headline

IB(Men In Blackの略称)
 黒衣の男と訳される。UFO研究家やUFOの目撃者に対し、その研究成果や目撃談を公表しないよう求める黒ずくめの格好をした男達のこと。国際空飛ぶ円盤事務所を主催していたアルバート・ベンダーが3人の謎の男の訪問を受け、研究を中止するよう圧力をかけられたのがMIBに関する最初の報告で、1953年のことである。1947年のモーリー島事件でも、目撃者の1人が見知らぬ黒服の男から警告を受けたと言われるが、この事件そのものが現在では捏造と考えられている。MIBという略称はジョン・キールが使用しはじめた。必ずと言っていいほど相手が1人でいるときに現れ、通常黒い車に乗り、本人しか知らないはずのことを知っている。他方目撃者が彼らの意向に反してその経験を公表した場合にも、何らかの被害を受けた例はない。その正体についてはCIAなどの情報機関のエージェント、異星人、霊的存在や悪魔など諸説ある。デヴィッド・アイクなどは、人類を影から支配するレプティリアンの変身した姿だと述べている。なお、ベンダーの個人的経験については現在は疑念が持たれている。デビッド・タンズレーは闇の世界代表する霊的存在ではないかと述べている。

参考:ジョン・スペンサー『UFO百科事典』原書房
    デーヴィッド・アイク『竜であり蛇であるわれらが神々』徳間書店

メラルド・タブレット((Emerald Tablet)
 古代アトランティスの伝説の王ヘルメス・トリスメギストスの遺体に握られていたと伝えられるエメラルドの板。天地創造の寓意や占星術、錬金術など、いわゆるヘルメス学の奥義を記してある。伝説では古代エジプトで作られたもので、地球の大破壊と人類の危機など未来についての予言を含んでいるとの説もあるが、その所在や枚数については論者により諸説ある。その内容については、1200年前後にラテン語訳されたものが出回り、いわゆるヘルメス文書と呼ばれている。また19世紀の魔術師エリファス・レヴィは、ギザの大ピラミッドの中にあったエメラルド・タブレットを実際に手に入れたと主張しており、アメリカのムリエル・ドリールも、本来大ピラミッドの中に保管されていた12枚のエメラルド・タブレットを発見、その一部を筆写したと主張している。他にユダヤ人の祖アブラハムの妻サラ、あるいはアレクサンドロス大王が発見したとも言うが、エメラルド・タブレットの記述が文献上登場するのは13世紀以降のことである。

参考:ガレス・ロバーツ『錬金術大全』東洋書林
   羽仁礼『図解近代魔術』新紀元社

リア51(Area 51)
 アメリカのネバダ州グルームレイクの地下、ネリウス空軍基地の近くにある秘密の米軍基地で、マンハッタンと同規模の広さを持つとされる。600人以上の異星人が人間と共同作業を行っているという噂があり、ロバート・ラザーはこの施設には9機の円盤が格納されており、エリア51内のS4と呼ばれる施設でUFOに関する報告書やエイリアンの解剖写真を見せられ、UFOの推進機関の研究に従事したことがあると主張している。この地域ではUFOのような飛行をする様々な飛行物体がしばしば目撃され、1980年にレンドルシャムに着陸したものもその一つと言われる。マッハ6で飛行するステレス戦略偵察機オーロラを制作しているとも言われるが、それを見たのはロバート・ラザーのみ。

参考:と学会『トンデモ超常現象99の真相』(羊泉社)


リクシル(elixir)
 卑金属を金にし、人を不死にする霊薬のこと。語源はアラビア語の「アル・イクシール」で、傷を治す粉を意味する。エリクシルは完璧なルビーとも呼ばれ、アラビア語で「アル・ファッラール」(逃げるもの)、アル・ハジャル・アル・ムカッラム(高貴な石)などとも呼ばれる。諸病を治し、1ミスカール(約7グラム)でその120万倍あるいは600億倍の黄金を作ることができることから、同じく卑金属を貴金属に変える賢者の石と同一視されることもある。普通の金属を銀に変えるものを白エリクシル、金にするものを赤エリクシルと呼ぶ。不老不死の霊薬を生命のエリクシルと呼ぶ。アルベルトゥス・マグヌスはエリクシルのラテン語訳として酵母を意味するフェルメントゥムをあてたため、邦訳の錬金術関係書では酵母という語が使われることも多い。


蛇足:現在では資生堂の化粧品の名称にも使用されている。

参考:ガレス・ロバーツ『錬金術大全』東洋書林
   桂令夫『イスラム幻想世界』新紀元社
    『アラビアン・ナイト8』平凡社

リコ(Jericho)
 イスラエルの地名。エルサレム東北東約27キロ。古代のエリコは現代のエル・リハの北西2キロのテル・エッスルタンにあり、紀元前8000年頃に人が定住し始めたことが確認されている。『旧約聖書』では、イスラエル民族が最初に征服した町として語られ、ラッパを吹いてときの声をあげただけで城壁が崩れたとされる。この記述については、古代の音波兵器の使用という主張もある。K.M.ケニヨンは1950年代に考古学上の調査を行い、エリコは紀元前1550年頃に破壊されて以来城壁が建築されたことは無いと確認しており、この年代はイスラエル民族がカナンを征服したもっとも早い年代とされる1400年よりも前になることから、このときにエリコを攻撃したのはエジプト第18王朝軍である可能性が高い。ローマ時代、エリコの名はアポクリファの「マカバイ書」にバキデスの砦のある場所として、また紀元前143年にシモンとその息子たちが殺された場所として登場する。ローマ時代にはハスモン朝の王たちがエリコはエルサレムに近く冬温暖であったためエリコ南端に冬宮を建設し増築した。ヘロデ大王も冬宮の建設を続けた。

参考:ジョン・ボウカー『聖書百科全書』三省堂)

リザベート(シェーナウの、Elisabeth of Schonau)
 1129頃〜1164年。ドイツのベネディクト会修道女で幻視者。12才の時シェーナウにあるベネデイクト会修道院に入り、1157年にその修道院長となる。1152年に重病を患って以来しばしば幻視を体験、それを弟で修道院長でもあるエクベルトが『黙示』『神の道の書』に書き留めた。内容は、教会の腐敗を批判し、来るべき災厄を警告する預言書である。一般に聖人として崇拝され、祝日は6月18日であるが、ローマ・カトリック教会は正式には列聖していない。同時代の女予言者であるビンゲンのヒルデガルトとは友人であった。

参考:Donald Attwater『Dictionary of Saints』Penguin

リシャ(Elisha)
 古代イスラエルの預言者の1人で、エリヤの後継者。エリシャは常に一群の預言者を引き連れて行動していた。彼はその預言者の1人をラモト・ギレアドでアラム人と戦っていた北イスラエル王国の将軍イェフーの許に派遣し、王に任命して反乱をそそのかしたことから、イェフーはイスラエル王ヨラムとユダ王アハズヤ、ヨラムの母イゼベルを殺し、サマリアでアハブの子孫を全滅させたためオムリ王朝は滅亡、これによりエリヤの預言が成就した。

参考:石田友雄『ユダヤ教史』山川出版社

リヤ(Elijah)
 紀元前9世紀頃のイスラエルの預言者。東ヨルダンのティシュペ出身。当時イスラエルを襲った激しい旱魃はヤハウェの怒りであるとして、カルメル山において450人のバアルの預言者と対決、勝利して彼らを殺戮した。すると3年間続いた旱魃が突然終わって大雨が降った。しかしこれが原因で、エリヤは追われる身となった。ユダの荒野に逃げ込んだエリヤは死を願うが、ヤハウェの使者に励まされてホレブ山に行く。ここでエリヤは、強風と地震と火が通りすぎた後で静かな細い声によってヤハウェの告知を受けた。イスラエルのヤハウェ崇拝者は自分しかいないというエリヤに対し、ヤハウェはバアルを崇拝しない者7000人を残すと告げた。またエリヤはオムリ王朝の滅亡とイゼベルの非業の死を預言し、これはエリヤの後継者エリシャの時代に実現した。ユダヤ伝説では死後天使サンダルフォンとなり、困ったユダヤ人がいると姿を現して助けてくれる。

参考:石田友雄『ユダヤ教史』山川出版社

リュ・コーエン(Elu Cohen)
 フランスのオカルティスト、ジャック・マルティネス・ド・パスカリ(1715?〜1779)が、1760年頃ボルドーでフリーメーソン内部に結成した秘密結社。フリーメーソンの儀礼にカバラや召喚を取り入れている。フリーメーソンからの参加者が多く、時にエリュ・コーエン・メーソン騎士団と呼ばれることもある。その儀礼はカバラ的世界観に立ち、参入者は、自己の出生の始原的創造原理を回復することを目的とする。そのために肉体のための食餌訓練、星気体投射を行うための呼吸訓練、のための音楽的・精神的訓練とがとりいれられた。これらの作業は天使を召喚してその立会いで行われる。パスカリ自身は1772年に突然カリブ海のサント・ドミンゴ島に渡り、そこで病死したが、その儀式はルイ・クロード・ド・サンマルタン(1743〜1803)などに引き継がれた。フランスの魔術師パピュスも後にエリュ・コーエンの儀礼を再編しており、その流れをくむ団体が現在も存在するという

蛇足:コーエン(正確には「コーヘン」。ただしフランス語ではhは発音しない)はヘブライ語で司祭を意味し、『旧約聖書』に登場するモーセの兄アロンの子孫がこの姓を名乗るという。

参考:アンドレ・ナタフ『オカルティズム事典』三交社
   

ル(El)
 ヘブライ語、ウガリット語、アラム語、フェニキア語などの西セム語で神を意味する普通名詞。バビロニア語のイルやアラビア語のイラーフも同じ意味である。ウガリット神話においては神々の父で世界の創造主であり、妻はアシュラトであるが、エルはすでに隠居しており、3人の息子のうちバアルが天と地、モトが冥界、ヤムが海を支配した。『旧約聖書』では、エルサレムのエル・エリヨン(至高者なる神)、ベエルラハイロイのエル・ロイ(私を見る者である神)、ベエルシェバのエル・オーラム(永遠者なる神)、ベテルのエル・ベテル(ベテルの神)、シケムのエル・エロヘー・イスラエル(イスラエルの神なる神)、地名が一定しないエル・シャダイなど、一定の場所と結合した種々のエルが登場して族長たちと特別な関係を結んでいる。複数形はエロヒーム

参考:ジョン・ボウカー『聖書百科全書』三省堂
    石田友雄『ユダヤ教史』山川出版社)

ルサレム症候群(Jerusalem Syndrome)
 イスラエルの首都でキリスト教の聖地でもあるエルサレムを訪れた者が,自分は神の子あるいは預言者と信じ込んだりモーセや聖母マリアを見たと信じる精神的症状。多い年には年間200人の旅行者がかかるという。毎年100人以上の巡礼が、エルサレム地区の国立精神医療センターのクファル・シャウル病院で治療を受けるが、自分は救世主だと思い込んだり、マグダラのマリア、洗礼者ヨハネなど、聖書に出てくる人物だと妄想するケースも多い。だいたいはアメリカ人、ほとんどすべてがプロテスタントで、聖書について豊富な知識を持っている。エルサレムの街角で服を脱ぎ去り、預言を口走るが、2,3日治療をうけるとけと治る。クファル・シャウル病院のバール=エル院長によれば、イメージとしてのエルサレムと現実のエルサレムのギャップによるものであり、このギャップが衝撃的なまでの神秘体験をもたらすのだと主張する。回復後の患者に聞くと、その体験は悪夢のようなものではなく「いい体験だった」という答えがかえってくるという。

参考:アモス・エロン『エルサレム』法政大学出版会

レメント(Elements)
  万物の構成要素としての少数の元素のことで、西洋哲学では地水火風の四大(しだい)、東洋では木火土金水の五行。西洋魔術においては、全ての物体はこの4大元素から構成されているので、その構成を変化させることである物質を他の物質に転換できることになり、従って鉛のような卑金属から貴金属を作ることも理論的には可能ということになる。それぞれの元素にはそれを支配する精霊が配置されており、風はシルフ、地はノーム、火はサラマンダー、水はウンディーヌとされる。東洋では全ての事象は木火土金水の五行の相生相克により生成流転するとし、陰陽説と結びついた形でほとんどの魔術や占いの基礎となっている。

ロヒーム(Elohim)
 本来はヘブライ語で神を意味する言葉「エル」の複数形。しかしフランスのコンタクティーであるクロード・ボリロンは1973年12月13日、エロヒームと名乗る異星人とリヨン郊外で遭遇し、ラエルという名を得たと主張する。ラエルによれば人類を2万5000年前に創ったのはエロヒームで、地球が壊滅状態にあるため、エロヒームが再び地球に降り立つ準備をさせるためにラエルを選んだとされる。過去、モーセ、イエス・キリスト、仏陀、マホメットもエロヒームから使わされた者たちである。また、『ゾハール』やマイモニデスによれば、エロヒムは天使の1階級である。

隔透視(Remote Viewing)
 リモート・ヴューイングのこと。

ンキ(Enki)
 シュメールの水神。深淵を領域とする知恵の神。アッカド語ではエア。エリドゥに主聖域があるがウル、ウルク、ラガシュ、イシン、ラルサ、ニップル、バビロン、マリ、アッシュールなどの主要都市にも神殿がある。天神アンと女神ナンムの子でニンフルサグ、ニントゥ、ニンマフ、ダルガルヌンナ、ダムキナなどの夫とされ、バビロニア時代以降マルドゥクとナンシェの父とされる。象徴は魚、亀、羊頭の杖、舟、水の流出する瓶。異名ヌディンムド。『イナンナ女神のエリドゥ詣で』には、ビールを飲んで酔っ払ったエンキが娘のイナンナに世界秩序の根源である「メ」と呼ぶものをすべて渡してしまう逸話がある。

参考:集英社『古代メソポタミアの神々』

球石(Stone Ball)

 コスタリカで発見されるほぼ真球の石で、紀元前300年から起源後12世紀くらいまでこの地に栄えたディキス文明の遺品とされる。最小は2.3センチから最大で直径2.5メートル、重量24.5トンのものまで数万個見つかっており、いずれもほぼ真球に近いが表面には何の模様もない。また石が取れない海岸部でも見つかっている。地元のインディオは円球石の中に金が隠されていると信じて発見次第打ち壊したため、完全なものは少ない。元々は直線上や三角に配置されていたとされ、宇宙の星座地図として配置したとの説もある。左はパリのケ・ブランリ美術館所蔵のもの。

参考:『超文明』学研ムーブックス

ンジェルズ・ヘア(Angel's Hair)
 UFOが飛行した後などに空中から降って来る、細い糸状の物質で、天使の髪の意。ほっておくと消えてしまう。最長で2メートルにも達し、通常はUFOとの関連で言及され、UFOによって放出された静電界が原因で微粒子が集まったものとされるが、UFO出現時に降下する場合は少量のことが多い。時にはエンジェルズ・ヘアだけが大量に落下する場合があり、1958年11月11日〜12日にはトリニダードを中心とした北カリフォルニアで大量に降った。実際にはエンジェルズ・ヘアの大部分は蜘蛛の糸である。

参考:ジョン・スペンサー『UFO百科事典』原書房

小角(えんのおづぬ)
 637〜701。修験道の開祖役行者(えんのぎょうじゃ)、役君(えんのきみ)あるいは優婆塞(うばそく)とも呼ばれる。大和国葛城地方に賀茂一族の家系に生まれる。幼少時よりその天才を表し、3歳で字を覚え、8歳で奈良の官学に入校するが、17歳で葛城山に籠もり、山岳修行を行うようになる。修行中朝鮮から来朝した僧慧灌(えかん)と出会って孔雀明王経を授けられ、以来雨を降らせたり空中を飛行したりという秘術を行うようになる。また、前鬼と後鬼などの鬼神を使役したとも言われる。あるとき鬼神を使役して金峰山と葛木山に橋をかけさせようとしたところ、これを不服とした一言主神が天皇に、小角が謀反を起こそうとしていると訴えたため伊豆に流された。しかし昼間は伊豆にありながら夜は富士山で修行し、ついに空を飛ぶようになった。

参考:歴史読本スペシャル『不思議人物日本史架空伝承事典』新人物往来社

ンフィールドのポルターガイスト(Enfield poltergeist)
 1977年8月31日から1年2か月の間にわたり、ロンドン北部のエンフィールドで夫人と4人の子供が住む町営住宅で発生したポルターガイスト。壁や床に叩音が起き、大小の家具が動く、発火現象、物体の貫通、人間の浮揚などが発生した。当時11才のジャネットと13才のマーガレットは、男の太い声で話した。またグラハム・モリスはカメラを仕掛け、人体浮揚の瞬間を捕らえた。またジャネットはロンドン南部のモーズレー病院で検査を受けたが正常で、ロンドン大学バークベック校物理学部長J.B.ヘイステッド教授と助手デビッド・ロバートソンが主宰する実験で、金属を引き千切ったり体重が増加するなどの現象を示した。

参考:コリン・ウィルソン『ポルターガイスト』青土社

魔王(えんまおう、Yama)
 仏教で死後人を裁くとされている存在。本来はインド神話で人類最初に死んだというヤマのこと。ヤマは太陽神スーリヤを父に、雲の神サムジュニヤーを母に生まれ、地上16万由旬(約230万キロ)上空の夜摩天と呼ばれる光明の世界に住み、人間の霊魂に福を授ける光明神であったが、後漢の明帝のとき中国に伝えられ、道教のどと習合して死後に死者を裁く十王の1人となり、人の死後35日後に死者を裁くものとされた。その後民間信仰において地獄の支配者となし、閻魔王のみが死者を裁くと信じられるようになっている。地下500由旬(約7200キロ)にある光明王院に住み、その下から6万由旬までが地獄とされる。死者の行状をすべて記した閻魔帳やら生前の罪悪を写し出す浄玻璃の鏡などを駆使してすべてまるっとお見通しで、閻魔王の前で嘘をつくと舌を抜かれる。一方で地蔵菩薩と同一人物とも言われる。

参考:桜井徳太郎『民間信仰辞典』東京堂出版
    ジャポニカ1972

ンメリヒ(アンナ・カタリーナ、Anna Katharina Emmerich)

 1774〜1824。ドイツのローマ・カトリックの神秘家。ウェストファリアの小さな村フラムシェの貧しい家庭に生まれる。1802年デュルメンにあるアウグスティヌス会の女子修道院に入るが、1811年の修道院閉鎖に伴いデュルメンのフランス人司祭の許に引き取られる。翌年重病になった際聖痕を受け、飲食物をとらなくなり、透視能力や空中浮揚などの能力を示した。当時は見捨てられていたエフェソスの聖母マリア昇天の家の状況を透視したことでも有名。聖痕については1819年8月に隔離され、神学者たちによる調査が行われたが怪しい点はなかった。

参考:『キリスト教人名事典』(日本基督教団出版局)


ンリル(Enlil)
 シュメール古来の神。シュメール語で「主人」、「風」の意味で大気の神。アンとキの子でニヌルタの父。メソポタミアの最高神。妻はスドゥ、ニントゥ、アシュナン、ニンリルなどがあてられ、ナンナ、ネルガル、ナムタルの父とされる。ニップルの守護神。別名ヌナムニル。アンとキは大気の神エンリルを産み、エンリルは天を地から分離した、アンは天を運び去ったがエンリルは地であるキを運び去った。『エンリルと鶴嘴の創造』では万能の鶴嘴を創造。シュメールやバビロニアの神話ではニップルのエンリル神殿エクル内のウブシュウキンナでアンの指導下で神々の会議が開かれ、決定をエンリルが実行する。国家の滅亡や異民族の侵入はエンリルの仕業であり、『エンリル神とニンリル女神』ではニンリルをヌンビルドゥ運河の堤で強姦したため他の神々に罰せられ冥界へ追放される。ニンリルは月神ナンナを身ごもっていたがエンリルの後を追ったため、エンリルはさらにニンリルと交わり、メスラムタエア、ニンアズ及びもう1人名前が不明の三柱の神をはらませてナンナの身代わりとしたのでナンナは天に昇れることとなった。力を象徴し荒れ狂う嵐、野生の雄牛と呼ばれる。

参考:集英社『古代メソポタミアの神々』