一般社団法人潜在科学研究所 The Potential Science Institute

第17号 希少な十字架UFO報告:ドーセット事件

  

1947年6月24日、アメリカの実業家ケネス・アーノルドが9機の奇妙な飛行物体を目撃して以来、UFOを目撃したという報告が世界各地から寄せられている。
 しかし目撃されるUFOの形状は事件によってさまざまで、異なる事件で目撃された物体が同一のものであると断定された事例はない。
 アメリカのコンタクティーであるジョージ・アダムスキーとその信奉者の間では、いわゆるアダムスキー型と呼ばれる一定の形状をしたUFOの目撃や撮影報告があるが、いずれもその目撃状況に疑義のあるものばかりだ(脚注1)。
 こうしたUFOの形状については、1964年にアメリカの全米空中現象調査会(NICAP)が分類を試みたことがある。
 それらは、皿型、ドーム型、土星型、半球型、楕円球型、球型、ラグビーボール型、三角型、葉巻型、光点型の10種類であるが、それ以後、この分類にあてはまらない形状をしたUFOの報告がいくつも寄せられており、この分類については見直される必要があるだろう。
 この分類に入っていない形の1つが、十字型である。しかもこの十字型UFOは、60年以上のUFO史においても、ただ1度しか目撃されていない。
 この十字型UFO目撃事件は、NICAPがUFOの形状分類を発表した3年後の1967年10月、イギリスのドーセットで起きた。
 そのあらましは次のようなものである。
 この日の午前11時頃、元BOACコメットフライト(現英国航空)の職員だったアンガス・ブルックスは、ドーセットの海岸で2匹の犬を散歩させていた。ところが、急に突風が吹いてきたのでくぼ地に避難し、そこに仰向けになったという。するとその途端、1機のUFOが彼の方に飛んでくるのが見えた。
 UFOの中心には、直径25フィート(約7.5メートル)、高さ12フィート(約3.6メートル)ほどの円柱があり、そこから4本の棒状のものが腕のように伸びていた。この腕の長さは75フィート約25.5メートル)ほどで、前進するときはその1本が前方に、他の3本が後方に延びていた。
 UFOはものすごいスピードでブルックスの方に近づいてくると急激に減速し、4分のマイル(約400メートル)離れた場所の上空、200〜300フィート(約60〜90メートル)に停止した。停止したとき、物体から突き出た棒状のものが四方に伸び、その形状はまさしく十字型であったという。
 物体は半透明の物質でできていて、物体の後ろの空の色が見え、また雲がかかると色が変わって見えたという。しかし音は聞こえなかった。
 目撃は11時25分から47分まで22分間続き、やがて物体は3本の腕を一方向に集め、来たときと同じように残った1本の腕の方角に飛び去ったという。
 他のほとんどのUFO事件と同じく、この事件でもいくつか確認を要する事項がある。もちろん、比較するもののない上空に浮かぶ物体の距離や寸法をどうやって推測したのかという問題もあるが、この事件においては目撃の心理的背景も指摘されている。
 じつはこの事件が起きた1967年夏、イギリスでは各地で空飛ぶ十字架というものが目撃されていたのだ。
 十字架とはいっても、ドーセット事件のようにはっきりと十字形をした物体ではなく、それらは光点の目撃例である。ただ、これらの光点が十字形の光芒を放っているように見えたため、こう呼ばれたということだ。
 この事件は、イギリスではかなり大々的に報じられたため、ドーセット事件のブルックス本人も当然報道を読んでいたと考えてよいだろう。そして、ブルックスが目撃した物体はかなり大きなもので、しかも低空に滞空しており、目撃時間が22分もの長きに及んだというのに、当時同じ海岸付近にいた誰も、この物体を目撃していない。さらに興味深いのが、目撃時の状況である。
 ブルックスは、突風を避けるためくぼ地に避難し、仰向けになっていたというのだ。現在はドーセット事件は、一種の白昼夢ではなかったかという解釈が主流のようである。
 なお、2009年12月、エジプトの首都カイロのワラーク地区で聖母マリアが目撃された際には、いくつかの光点が十字型の編隊を組んで飛行する模様が写真に撮られている(脚注2)。

脚注1:いわゆるアダムスキー型UFOについては、欧米で同じ型のUFOを目撃したり撮影 したとの報告がいくつかある。有名な事件にコニストン事件、ロドファー夫人事件などがある。
脚注2:カイロ北部ワラーク地区にある聖母教会では、2009年12月11日深夜から1ヶ月ほどの間、聖母マリアの姿や数々の発光体が目撃された。

PSI@ウィキ関連項目(会員限定)

客員研究員桜井慎太郎記(2012年2月1日配信)


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