一般社団法人潜在科学研究所 The Potential Science Institute

第21号 英国UFO事件:レンドルシャムの森事件―現地調査報告A

UFO事件が起きた森と聞くと、とんでもない僻地を想像するかもしれませんが、実際にはレンドルシャムの森は、サフォーク州の田園地帯の只中にあり、キャンプ場もあります。
 ハイ・シーズンは夏なのですが、
310日の時点でも子供連れや老夫婦など、計10台以上の車が駐車場におり、子供たちも何人かブランコで遊んでたり、キオスクの前でサンドイッチやアイスクリームを食べておりました。それに、森の中では木材の伐採も行われており、伐採作業用のトラックも出入りしています。要は、それなりに人出のある場所です。駐車場近くの掲示板には、軍服の女性を載せたサバイバル・ゲームのポスターも貼ってありました。確かに、この種のゲームには、森は格好の舞台です。
 駐車場脇のキオスクそばには、グレイの似顔入りで「UFOトレイル」と題する三角形の看板があり、UFO事件の概要も書いてありました。「UFOトレイル」とは要するに、この事件に関係する場所を巡るサイクリングコースです。

 この森にはいくつかサイクリングコースがあり、その1つが「UFOトレイル」と名づけられ、ウッドブリッジ空軍基地の滑走路とか、その先のUFO目撃現場らしき場所をつないでいるようです。もっとも、この看板には、UFOが関連しているという証拠も残留物もないとしっかり書いてあります。また、1987年の暴風で森の様相は一変しているとも書いてあります。というわけで、1980年当時とは、森の風景はかなり異なっているようです。
 ここで、1980年の事件をひとまず振り返っておきましょう。
 多くのUFO事件でよくあることですが、この事件についても、いくつかヴァージョンが伝わっています。そのどれが正しいのか、断定は難しいのですが、ここはデヴィッド・クラークの『UFO Files』の記述をメインに用いたいと思います。作者がイギリス人で現地踏査を実際に行った人々から直接証言を得ていることと、作者のスタンスがイギリスの公文書館その他公式文書に則った記述ということなので、要はデヴィッド・クラークが引用する公式文書に基づいた説明ということです。
 なお、イギリス公文書館に保存されるハルト中佐のメモ自体は、http://www.nationalarchives.gov.uk/documentsonline/details-result.asp?Edoc_Id=8199462&queryType=1&resultcount=1からダウンロードできます(ただし有料)。
 こうした記録によると、最初に異常事態が発生したのは19801226日午前3時。中佐のメモは27日になっていますが、事件直後サフォーク警察が通報を受けているので、警察の記録から日付は確認できるようです。このとき、ウッドブリッジ空軍基地の警備員は、この基地にある滑走路東口から1マイルほどの距離に謎の発行物体が落ちるのを目撃しました。彼らは航空機が墜落した可能性を疑って、3人の非武装パトロールが探索のため森に入りました。
 ここでまず注意すべき点は、「滑走路東口から1マイル」という彼らの目測です。滑走路の東端から1マイル行くと、森の外に出てしまいます。じっさいUFOの着陸場所を森のすぐ外としている書物もありますが、ハルト中佐のメモによれば、最初の物体が着陸したと思われる場所は森の中としています。
 とにかく探索に出たパトロール隊は、森の中で奇妙な物体を見たようです。これについては、長さ23メートルで高さは2メートル、外見は金属質で三角形をしていたと報告されています。この物体は、周期的に光を発しており、一行が近づくと消えてしまったということです。
 ここでまたしても疑問です。森の中で、しかも実際にその物体に接近したわけでもないのに、このような計測が可能かどうかということです。夜の森では、周囲の物体と比較するのも困難でしょう。
 問題の物体は2日後、つまり28日にも現れました。このとき、レンドルシャムの町の北にある、ベントウォーターズ基地の副司令官ハルト中佐が事件現場を訪れました。
 この2つの空軍基地の関係は、ベントウォーターズ基地司令官がウッドブリッジの方も指揮下に置いているということになります。しかし、当時基地司令官はクリスマス休暇で、司令官不在中の最高責任者ハルト中佐が乗り出して、自ら調査にあたったという次第です。
 ハルト中佐は自らガイガイー・カウンターと手持ちのテープレコーダーを持って捜索に乗り出しました。最初の事件の着陸地点と思われる場所では、木々に傷みがあり、地面には3つのくぼみがありました。この3つのくぼみは三角形を作っておりました。そして付近の木と地面の3つのくぼみのあたりで、周辺より高い放射線量が計測されたということです。
 それからハルト中佐らは木々の間に赤い光を見ました。この光は赤い太陽のような光で、木々の間を動き、脈動し、光る部品を吐き出し、5つの白い光に分かれて消えたとされています。さらに一行は森を抜け、畑に立って、地平線上10度に浮かぶ3つの星のような物体を見たということです。この調査行の間、ハルト中佐は近くにあるワットン・レーダー基地にも問い合わせましたが、ワットンのレーダーには何も映っていませんでした。

                                 主任研究員羽仁礼記(2012年6月1日配信)
                 



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