一般社団法人潜在科学研究所 The Potential Science Institute

第38号 ナチスとUFO@

  第一次世界大戦後、ドイツが共和制だった時代といえば、映画「シャンバラを征く者」では、鋼の錬金術師エドワード・エルリックが流れ着いた時空間です。
 このとき脇役で登場したのがエリク・ヤン・ハヌッセンでしたが、この時代、他にも奇妙な人物が大勢登場しております。
 前回紹介したメッシングも、この頃ベルリンを中心に活躍していたし、ドイツにおいて西洋占星術が復興したのもこの時代で、カール・エルンスト・クラフトやアルフレート・ヴィッテが独自の活動を行い、エバーティン母子も西洋占星術師として活躍しています。ハンス・ベンダーも、既にESP研究を行っていました。さらにはトゥーレ協会を設立したルドルフ・フォン・ゼボッテンドルフやら、東方聖堂騎士団のカール・ゲルマー、ヒトラーの指南役とも言われたカール・ハウスホーファー、ルターやマルクスの霊を呼び出していたヨーゼフ・ヴァイセンベルクなど、奇妙な人物が大勢活躍しております。こうした状況は、革命前夜のフランスで、サンジェルマンだのカリオストロだの怪しげな人物が幅を効かせた状況にも似ております。
 こうした人物の中には、ハヌッセンやハウスホーファーなど、ナチスやヒトラーと関わった人物も何人かおり、こうした伏線から、ナチスそれ自体もオカルト団体だったとか、ヒトラーも神秘主義者だったなどと一部で唱えられております。
 戦後になると、ナチスがUFOを建造していたとする説も現れました。多くの場合この主張は、ヒトラー生存説と結びついているのですが、戦後68年を経過した現在、たとえヒトラーが大本営地下壕から密かに脱出していたとしても、未だに生存しているとはとても考えられません。一方、ナチスのUFO神話は、さまざまな新素材を吸収しながら、一部で未だに生き延びているようです。
 ナチスとUFOの関連が明確に指摘されたのは戦後のことで、当然ながらアーノルド事件以後のことです。どうも1950年、イタリアのジョゼッペ・ベルッツォとリーノ・サグリオーニが、ナチスが戦時中円盤型飛行機を開発していたと述べたのが最初らしく、これを引き継いで、フー・ファイターがナチスの秘密兵器だったという説を広めたのが、やはりイタリアのレナト・ヴェスコです。
 その後ナチスのUFO開発という話は、第二次世界大戦前後の事件を巻き込む形で壮大な神話に発展していきます。日本では、ドイツ語圏の話題というだけで情報が極端に少なくなり、ナチスとUFOという主題も不明な部分が多いのですが、判明している範囲で紹介していきたいと思います。


             主任研究員羽仁礼記(2013年9月15日配信)


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