黒のページ(心霊現象)2

ポルターガイスト


 こんな経験はないだろうか。
 夜寝入り端、天井から小枝が折れるような音が聞こえる・・・・・
 部屋のカギやペンなどの小品がいつもの場所に見当たらず、思いがけないところから出てくる・・・・・・
 家の扉がひとりでに開いたり閉じたりする・・・・・・
 もっともこの程度なら、単なる勘違いだとか、風のせい、昼と夜の温度差で建材にゆがみができたせい、などとして納得することも可能であろう。
 しかし、締め切った室内に小石が降ってくるとか、食器が室内を飛び回ったりするとなるとどうだろう。天井の電球や窓ガラスが突然割れたり、重 い家具が手も触れないのに揺れはじめたりしたら。誰かが壁を叩くような音が繰り返し響き渡るとしたら・・・・
 何者かの巧妙ないたずらだろうか?それとも・・・・
 これらは、典型的なポルターガイスト現象である。
 ポルターガイストは、ドイツ語で「騒音を起こす幽霊」を意味する。その名のとおり、壁を叩くような音が聞こえるラップ(叩音)をはじめ、さまざまな物理的現象を引き起こす存在のことだ。アメリカのジョー・ニッケルによれば、宗教改革の旗手マルチン・ルター (1483〜1546)の造語だという。
 ドイツ語らしくいかにも硬く、しかも長たらしい言葉なので、イギリスではpoltsと略称されることもある。無理して翻訳すると、さしずめ「ポルちゃん」とでもいったところか。
 ポルちゃんことポルターガイストは、他にも多くの現象を引き起こすことができる。
 屋内に異臭が漂うとか、夜間不思議な光が瞬いたり、家具や調度に火がついたり、壁から水や血が染み出したり、また、人のくるまるシーツをはぎ取ったり、子供を宙に持ち上げたりなど、ありとあらゆる種類の狼藉を働く。
 通常は、時折ラップが聞こえるという程度の、比較的軽度な現象から始まり、やがて物品が移動したり、床に水たまりができたりと、次第にいたずらがエスカレートしていく。時には人影のようなものが現れたり、稀には女性がレイプされたという証言まである。
 言葉を話したり、さまざまな手段で人間と交信したりもするから、ある程度の知性を持つのは確からしい。
 1848年にアメリカで起きたハイズビル事件では、質問の答がイエスならラップ1つ、ノーなら2つというようなやり方で住民と交信し、自分の正体は、以前その家で殺された商人のだと白状している。
 1984年にイギリスのチェスターで起きた事件では、コンピューターを通じて通信文を送ってきたから、現代のテクノロジーにも対応しつつあるらしい。
 またポルターガイストが引き起こす各種の現象は、洋の東西を問わず古くから知られている。イギリスのコリン・ウィルソンによれば、858年の記録に、石を投げたり、壁を揺るがしたりした悪霊の存在が記録されているらしい。
 日本でも、人気のない田舎道で石や砂を投げつけられたり、山中で奇妙な物音が聞こえたり、家や垣根が突然揺れだすという現象が知られていたらしく、それぞれ家鳴り、くねゆすり、天狗倒し、天狗つぶて、狸ばやし、砂かけ婆などと呼ばれてきた。 このようにポルターガイストの正体は、その場所にとどまるや妖怪であると、従来信じられてきた。
 ところがポルターガイストについての研究が進むにつれ、ポルターガイストには悪魔祓いや除霊があまり通じないこと、そして、ほとんどのケースで10代の少年少女が事件の場におり、こうした少年少女が家から出ると現象がおさまるという例がいくつも報告されるようになった。
 こうした結果を踏まえて、超心理学の立場から提唱されているのが、いわゆるRSPK(Recurrent Spontaneous Psychokinesis)、つまり反復性偶発的念動現象によるとする説である。
 この説は、さまざまなコンプレックスや不安を抱えた思春期の少年少女が、本人も無自覚のうちにPK(念力)能力を発揮し、さまざまな現象を引き起こしているのだと主張する。
 もっとも、霊がそうした少年少女のエネルギーを勝手に利用しているという見方もあるし、が起こす現象とPKによる現象とは区別できるとの説もある。
 もちろん、ポルターガイストについては、いたずらなど合理的な理由で説明できるという主張もある。
 現実に、子供がものを投げる瞬間が撮影された例もいくつかある。アパートが揺れ動く現象が、人気番組のCMの時間に住人が一斉にトイレを使ったためだと判明したこともある。地下水脈の動きや地盤沈下、高電圧線が作る電磁場の影響など、一見ポルターガイスト現象と思われる事件の原因は一様ではない。
 自分の周りでポルターガイスト現象が発生したとしても、霊能者やお祓いを頼む前に、建築や配管の専門家に相談したほうがよいだろう。 もしそれで原因がわからなかったら?そのときこそ渋谷サイキック・リサーチの出番だ。

(DVDゴーストハントFILE1「悪霊がいっぱい」付録パンフレットより)